ボリショイ・バレエ団
「ラ・バヤデール」


2006年5月7日(日) 3:00PM〜
神奈川県民大ホール
振付 = ユーリ・グリゴローヴィッチ
原振付 = マリウス・プティパ
音楽 = レオン・ミンクス

ニキヤ = ナデジダ・グラチョーワ
ソロル = ウラジーミル・ネポロージニー


 パリ・オペラ座とボリショイがあいついで日本を襲撃すると知った時、まずは 夫のご機嫌伺いを考えたが、理解のある彼でもさすがに毎週末の子守は嫌だろう なあと思い、今回はオペラ座の方へ行くことに。 (POBをあまり見たことがないので・・・)

 ところが、夫の急な出張が入り、チケットを取ってあった4/29の 「パキータ」は絶望的になったのでした。(GWに仕事をさせるな〜!!!  祝日は子供の預け先がないのよ〜!)
 「パキータ」のチケットが何とか無事知人に譲れたので、代わりにボリショイの方に 行ける運びとなってまずはめでたしめでたし。
 (2月の「マラーホフの贈り物」の時も、夫の出張の影響で早退だったしな〜。 最近ついてない・・・)

 というような事情があったので、お天気は悪かったけど、嬉々として横浜に 向かいました。


 今まで折れそうな痩身のニキヤを見ることが多かったので、グラチョーワの 顔かたち、肩や胸元の円やかさに年輪を感じずにはいられなかったが、その年輪が良い!
 ニキヤの喜びも嘆きも丁寧に織り込まれたまなざしと四肢の運びに、感服した。
 ソロルの死の間際、バヤデールたちが「影の王国」シーンで下ってきた坂道を、 ニキヤ1人がアラベスク・パンシェで上がっていく演出は初めて見たが、ここでの グラチョーワは厭離穢土といった佇まいで神々しい美しさ。マカロワ版では、 ニキヤとソロルはこの場面で長い布を持っており、ニキヤが恋人を冥界に導いて いるような雰囲気だが、この版ではソロルの手の届かない所へニキヤが行ってしまう ようで、寂寥感がこみあげてきた。

 グラチョーワとのペアだと姉さん女房(?)に見えてしまうネポロージニーは、 長身で優雅な感じのソロル。「戦士に見えない綺麗なソロル」は、よくあることなので まあいいですが・・・。
 ソロでは伸びやかな踊りを披露するものの、全体的にはやや存在感が薄いか。

 ガムザッティは、マリーヤ・アラシュ。慎み深そうなのグラチョーワ・ニキヤ に対して、若々しく元気ハツラツ〜といった印象のお姫様。
 世界は自分を中心に回っていると思っていたのに、思い通りにできない事態が 出来するも、まもなく権力によって収拾できる。この版では、ガムザッティが ニキヤの亡霊に怯えたり、寺院崩壊で逃げ惑ったりしないので、彼女の苦悩や 悲しみを表現する場面が少なく、おもしろくないな〜。


 そして、影の王国。32人のバヤデールたちの静謐な整列を目のあたりにして 感動で鳥肌が立った。バレエの群舞では、やはりこのシーンが一番好き。
 第一ヴァリエーションのエカテリーナ・クリサノワと第二のナターリヤ・ オシポワは良い出来。第三ヴァリエーションのネリ・コビヒゼは、非常に細身で とても若い感じに見えたが、時々ステップに余裕がなくなり、上半身を前に 倒す時も、砕けすぎじゃないかなと思うことがあった。あれはあれで いいんでしょうか?

 大僧正は、アンドレイ・スィトニコフ。ニキヤに与えるため(?)、ずいっ と帽子(冠?)を脱いだその髪の色は、なんと赤と黒の縞々(に見えた)。 うーむ、これはニキヤでなくてもちょっと鬱陶しいぞ。

 苦行僧マグダヴェーヤは、ヤン・ゴドフスキー。1幕の聖火を囲んで踊る シーンは、身体をねじるねじる、くねらせるくねらせる!
 影の王国の直前、ソロルが寝入るところでは、この版は苦行僧が何人も 現れて灯火を持って踊る。そして、赤ちゃんを寝かしつけた親の如く そろそろ〜っと忍び足で去って行くのだが、なんで?という感じ。この人たちは、 ソロルの部屋に出入り自由なのかしらん?

 黄金の仏像は、アンドレイ・ボロティン。まあ、この役としては、 こんなものでしょうか。

 黒人の召使(?)役で6人の日本人の子役が出演していたが、あの明らかな 外見の造りと子猿のような身振りは、いまだにこういう演出がなされているのか 、と驚いた。そういった時代があったのは事実だけれど、このままの演出では アメリカで公演はできないでしょう。



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