音楽にのりきれていない人が多かった。男性陣とリーディング・ロールのヘレネ・アレクソプロス?(Helene Alexopoulos)は、まずまずだったが。
横の夫は眠りかけていた。
ウエンディ・ウェーラン( Wendy Whelan )
ニコライ・ヒュベ( Nikolaj Huebbe )
私はこれを見て「ああ、見に来て良かったなあ」と心の底から思った。リーディング・カップルは、二人とも非常に素晴しかった。本当に素敵だった。
「ルビー」はアメリカを想起させるということだが、タンゴを意識しているのではと思わせる部分もあり、興味深く見ることができた。組んだ姿勢で上半身を固定したまま足を素早く動かしたり、二人がずっと挑発的な視線を熱烈に絡ませ合っていたりと、まさにアルゼンチン・タンゴの官能の世界。(バランシンは全く意図していないかもしれないが…)
ヒュベ、ウェーランともにむせかえるような熱情を伝え、濃厚な空気を創りあげることに成功していたと思う。
女性ソリスト( Michele Gifford )もコール・ドもカプリッチオの軽快なテンポに誰一人乱れることなくのっていて、圧巻だった。
ダーシー・キスラー( Darci Kistler )
チャールズ・アスケガード( Charles Askegard )
フランスのエメラルド、アメリカのルビーときて、帝政ロシアのダイアモンドとくるわけですが、なるほど19世紀のロシアン・バレエの香気を感じることができた。
「ダイアモンド」は、三幕の中でも最も高雅な印象を与える幕だと思う。「エメラルド」の持つエレガントな雰囲気とは違った、凛としたおもむきがあった。
ダーシー・キスラーは貫祿の舞といった感じでとても良かったのだが、パートナーのアスケガードの影が薄かったのが少し残念。踊りは良かったのに。
コール・ドも、エメラルドのに比べたらずっとまとまっていたが、ルビーのコール・ドの一体感には及ばなかった。
カリンスカの衣装は、チュチュ・ロマンチック(エメラルド)やチュチュ・クラシック(ダイアモンド)など3つとも全くデザインが違っていて楽しめた。が、ルビーの衣装はダンサーが太く見えるので、着る人はイヤかも。(あの夜のルビーの出演者たちが全員太っていた、なんてことはあるまい)