番外編 アメリカから帰ってみれば その2


 まだまだ感じたことがあるので、今回も浦島記とします。


I. サービスの質の低下
 私がアメリカに住んでいた時、ITバブルとも第二次バブルとも言われた かの国の好景気をよそに、日本での不況は深刻の度合いを増していきました。
 その間の企業の血のにじむような合理化を、帰国した今、消費者として感じるのは、社員・店員の サービスの質が低下したことです。

 某都銀に書類送付の依頼を電話でした時のこと。電話に出た行員の語調から 彼女の職場が忙しいのは推し量られたけど、私の言った住所を復唱もしないで 電話を切ったのには驚きました。私も会社勤めの経験があるけど、そういう 場合、必ず復唱してお互いミスがないか確認するというのが原則で、自分も実践 したし、電話の相手も皆そうでした。
 その銀行以外にも、以前の日本の会社員だったらしなかったようなミスが 幾つかありました。
 職場から人員が減らされて、多少の細かいミスは仕方ないから、とにかく量を こなせということなのでしょうか。

 保守・点検など利益を直接産まないところのお金と人を減らしたのか、企業 の施設での火災・事故も目に付きます。

 アメリカに住み始めた頃、デパートで会計したいのに店員が捕まらなくて 苦労したり、送付を依頼した書類が担当者のミスで届かなかったり、修理業者 が約束の時間に現れなかったりといったことが多くて、「この国はまったく!  日本だったらこんな事ないのに」と怒ったこともあったけれど、なんのことは ない。あの頃は、日本も今より贅沢に人員を配置していただけのことなのかもしれない。


II. 犯罪増える
 治安が良い、って日本の自慢じゃなかったっけ?
 それが今や犯罪は増える、検挙率は低下するで、母国の長所は一つ消えて しまいました。悲しい。

 私が夫の転勤でアメリカに引越した96年当時は、NYではまだ壁や地下鉄 車両の落書きが目に付き、通りには物乞いやホームレスの姿が多かったのですが、 景気が上向き出すと、これらは徐々に少なくなっていきました。
 国に帰ってみると、NYで見たのと同じような落書きが街にあり、嘆かわしい 状態になっていました。落書きも好景気になると、自然となくなるんで しょうけどね。

 それよりも嫌なのは、犯罪が身近になったことです。
 以前は、危ない場所に近づかなければ、犯罪被害者になる可能性が極めて低い 国だったのに、今や空き巣・不審者情報などがあふれ、自分も犯罪に巻き 込まれるかもしれないと強く感じる毎日です。
 帰国後すぐ住んだ町も今住んでいる所でも、「ご近所に空き巣が入りました」 という自治会の至急回覧板がわずか1年の間に何回回ってきたことでしょう。 先日もほんの数軒先に泥棒がはいったと聞いて、防犯センサーを急いで購入しました。
 一体、いつからこの国はこうなったの?
 旅行先で、「家は大丈夫かしら?」と留守宅に思いを馳せるなんて初めてです。

 空き巣が盗んだ通帳で、銀行口座から現金を引き出されるケースも多いそう ですが、そろそろ日本の銀行も印鑑照合だけでなく、顔写真つき身分証明書や 本人署名など、別の本人確認のすべを導入するべきでしょう。(住民の大多数 が運転免許証を取得しているアメリカと違って、顔写真つきIDはネックかも しれないけど・・・)

 日本が元の安全な国に戻ることはあるのでしょうか?


III. お金を借りること
 が、今とても軽くなっています? ひょっとして。
 よく見かける消費者金融のCMには、いつも腹立たしい思いをします。
 明るくかわいい女性タレントを起用して、「借金をする」という暗さや重さ を払拭しているけれど、お金が返済できなかったら、あのかわいいお姉さんが 「借りたお金、返してくださ〜い」とニコニコしながら家に来てはくれない。 (はず)
 金銭的余裕のない彼氏に、「たまには・・・」と海外旅行や温泉をねだる 彼女は悪女じゃないのか! とTVに向かって毒づいてしまいます。


IV. キャラクター大国
 日本人はとてもキャラクター好きだなあと実感。
 きのこから肌着、エアコン、英会話学校と様々な物品やサービスを人々に アピールするのに、キャラクターがつくられています。

 ディズニーはキャラクターの宝庫だし、オリンピックなどでもマスコットが つくられるけど、日本ほど沢山キャラクターがいて、日々販促している国って そんなにないのでは?(別に悪いことではないけどね)

 この間、妖怪の本を見ていたら(←実は、これ系のものが好きな私。京極 夏彦の世界も大好き)、たくさんの妖怪のイラストが一つ一つ名前とともに 書かれていたのですが、「どこかでこれに似たもの、見たな〜」と思ったら、 ポケモンのキャラクター一覧でした。ポケモンもモンスターだから、という 低レベルな相似ではありません。
 かたや墨と筆で描かれたおどろおどろしい日本の妖怪、ポケモンは彩色 鮮やかな動物や恐竜を思わせるデザインなのに、妖怪・モンスターの全身が きちんと一つ一つ並べられた両方の一覧の相似性には、目を見張るものが ありました。
 今も昔も、やっぱり日本人はキャラクター好き??


V. 地震
 私は生まれも育ちも日本なので、小さい頃から地震は随分体験してきました。 が、数年ぶりに体験すると震度3ぐらいでもかなり怖いと感じます。
 突然ぐらぐらときて、しばらく家が揺れ続ける恐怖。
 帰国して初めて身体に感じる地震があった時は、夜一人で起きていたことも あり、なかなか心臓の激しいドキドキがおさまりませんでした。慌てて子供の ベッドに走っていったものの、彼は何事もなくスヤスヤ寝ていて、それほど 大きな地震ではなかったようでした。

 私が住んでいたニュージャージーやニューヨークの辺りは、アメリカでも カリフォルニアにつぐぐらい地震が多いそうですが、私の記憶では、 有感地震は経験しませんでした。

 阪神・淡路大震災の時、私は奈良に住んでいたのですが、兵庫県や大阪に 比べて揺れはひどくなかったものの、それでも生きてきた中で経験した一番 大きな揺れだったように思います。(冷蔵庫が倒れるんじゃないかと両手を 突っ張って支えていましたから。今から考えると危ない行為です)
 でも、その時の方が今より恐怖心は薄かったのですから、長い間経験しない と、人間の感覚って鈍くなるものなんですね。


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