第三回 ハロウィーン


 毎年10月31日は、ハロウィーン。この日は、全米の子供たちお待ちかねの楽しい日。夕方から、あちこちで「Trick or Treat !」の声が聞こえます。

 ハロウィーンについては、学校の英語の授業や英会話の講座などでご存知の方も多いでしょうが、まず成り立ちからご紹介したいと思います。
 もともとこれは、キリスト教が入る前の古代アイルランドの風習だそうです。当地では10月が一年の終わりとされていて、大晦日(つまり10月の最後の日)に死者があの世から蘇ると信じられていました。人々はご馳走を作り、自分たちも幽霊のような扮装をして死者をもてなし、最後には墓場に送っていったといいます。(まるで、日本のお盆みたいですね。でも生きてる人が幽霊の格好をしたからといって、ご先祖様が喜ぶのかしら?)
 キリスト教が入り、10月末日が大晦日でなくなっても、アイルランドの人々はその日にご馳走を戸外に置くことをやめず、貧しい人たちがそれを食べるようになりました。そして、ご馳走が置いていない家には、いたずらをしたといいます。
 この習慣をアイルランド移民がアメリカに持ち込み、子供たちが主役の楽しい日となりました。



 ハロウィーンのシンボルは、魔女、がいこつ、黒猫、お化け、こうもりなどなど。
 それと忘れてならないのが、ジャック・オ・ランタン( jack o'lantern )と呼ばれる巨大なオレンジ色のかぼちゃに不気味な顔を刻んだもの。(写真を見てね)
 ランタン(提灯)なので、中に灯りを入れるのが正しい使い方のようですね。


 ハロウィーンが近づくと、どこにいってもこれらのシンボルが目に付くようになります。
 スーパーマーケットには、ハロウィーン用のお徳用おかし袋が並び、ジャック・オ・ランタン用のかぼちゃが売られます。(ちなみにこのかぼちゃはおいしくなく、せいぜいパイぐらいにしかならないのだそう) テレビでは、家庭用品や小麦粉などを使ってできるメイクを紹介し、人々は家の中、庭木、門とあちこちにこのシンボルを飾りつけます。
 これらの光景に慣れていなかった頃、私なんかは、ある夜、車で通りかかった家の庭木にシーツでできたお化けがぶらさがっていて、「ギャーッ!」と叫び声をあげたことも。(叫ぶなよ) とにかく、あちこちで実物大の(?)死体や魔女が座っていたり、墓石が出現したりするのです。

 

 そして、かわいい子供たちの仮装。少し前からコスチュームの通信販売カタログが届き出し、町のコスチューム屋さんも賑わいはじめます。
 物心つかない子供も、ウサギちゃんとかになって、親に手をひかれてやって来ます。でも自分が何をしているのか全くわかってないみたい。
 にぎやかなのは、小中学生のグループ。大挙してやってきて、ワイワイ楽しそう。「もう1個いい?」とおねだりする子もいれば、集団に紛れてほとんど仮装らしいことをしていない手抜き派も。
 嫌なのは、高校生くらいの男の子が、一人で無愛想にホラー系の格好でやってくるパターン。ドアをノックされて出てみたら、体格のいいフランケンシュタインがバーンと突っ立っている恐怖といったら…。





 ところで、仮装をするのは何も放課後の子供たちだけではないんですね〜。
 さすが、アメリカ、遊び心の国。ハロウィーンの日には、仮装をして会社に行く人もあります。横に座っている同僚が、この日は火星人ということもあるのです。
 校長先生まで仮装する学校もあるとか。ちょっと日本では考えられないですよね。でも、そういうアメリカ人のお茶目なノリって、好きだなあ。
 ちなみに、今年大人の仮装人気ナンバーワンなのが、不倫もみ消し疑惑で本人がもみ消されてしまいそうなクリントン大統領。大統領のマスクとセットの葉巻がとてもよく売れているのだそうです
(写真は、ハロウィーンの日の夫の会社の風景。みんな、仕事大丈夫か?)


 このように大変楽しい行事なんですが、近年は楽しいばかりのものではなくなってきました。過去にリンゴに釘やかみそりの刃が入れられた事件があったので、親は子供たちの集めてきたお菓子に十分なチェックをしなくてはいけないのです。包装が一度解かれたものはすぐに捨てる、というのが常識のようです。ですから、手作りのお菓子などは treat として与えない方がいいでしょう。

   私は最初の年は自宅でハロウィーンを楽しみ、2年目はマンハッタンに出ました。マンハッタンのグリニッジヴィレッジで、夜に有名な仮装パレードがあるからです。
 その日のマンハッタンの光景は、とてもおもしろいものでした。通りは家路を急ぐ人たちで一杯なんですが、その中にいるわいるわ。「キャッツ」の出演者かと見紛う猫の親子、マクドナルドのハンバーガーくん。信号待ちしているスーツの群れの中にポツンとドラキュラが混じっていたり、4つ並んでいる公衆電話の一つをスーパーマンが使っていたり。街中が、とても不思議な空間と化していました。
 パレードはすごい混雑でちゃんと見れなかったんですが、女装している人が多かったなあ。(場所柄、そうなってしまうんだろうか)

   さあ、今年のハロウィーンは土曜日。もしかしたら、明るいうちからお化けや死神さんたちが trick or treating にやってくるかもしれません。お菓子を忘れずに買っておかなくては。


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